訪問リハと病院リハとは違うのか?

訪問リハでの仕事をする前に「訪問リハ」関係の本を読んだり、研修に行ったりしていた。

そこで著者や講師が言うのは「在宅でのリハの特殊性」である。そして、例として挙げられている患者さんへのリハもその特殊性を目立たせるようなものが多かった。

だから、私は本当に「訪問リハ」は「特殊」なものだと思っていた。

 

しかし、実際に訪問リハでの仕事をし始めると、まず自分ができることは病院でこれまで行っていたリハビリテーションと同じものしかなかった。

もちろん環境は病院の訓練室ではないが、患者さん宅のベッドや布団は、病棟リハでの環境とそう変わりがない。

歩く場所が自宅であったり、自宅近くの道になったに過ぎない。

そう、ほとんど病院で行っていたリハと変わりなく出来たのだ。

 

必要な運動療法は患者さん宅のベッド上や椅子でも可能であるし、お風呂もトイレも自宅だからといって何も特殊ではない。

 

そして、患者さん自身もこれまで病院で受けてきたリハと全く異なったリハなどは期待していない。

患者さんは安定して歩けるようになりたかったり、再び手を使えるようになりたかったり、痛い部分が楽になりたいのだ。それは病院であろうと、自宅であろうと変わりない。

考えてみれ当たり前のことだ。いくら自宅でのリハだからと言って、誰がADL訓練のみのリハを望むというのだろう?

 

働き始める前まで私が抱いていた訪問リハへの特殊な印象は、幻想に過ぎなかった。本やどこかのセミナー講師が話す大仰なセールストークを盲信しなくても大丈夫だ。