誰にメリットがあったのか?

訪問看護ステーションでの訪問リハでは4月からの介護保険制度の改定により、最低でも3ヶ月に1度は看護師が実際に患者さん宅を訪問しなければならないということになりました。それはそれとして患者さんやケアマネージャーからは渋々の受けいれではありました…

認知症患者さんと過ごした時間

高齢化にともなって認知症の患者さんは増えているようです。私の担当する患者さんの中にも数人の認知症患者さんがいます。重症度が増すにつれてほとんどの人が施設に入所していくのですが、夫婦2人生活の老々介護の中で暮らしている人もおります。 認知症患…

サプリメントの「嘘」と本当に効果がある「健康法」

サプリメントの事実 統計によるとサプリメントを飲んでいる人々の割合は非常に高く、20~70代の調査では8割の人が服用しているそうです。『消費者の「健康食品」の利用に関する実態調査(アンケート調査)』34ページより 私たちが訪問リハビリテーションで訪…

患者さんの急変と働くべき訪問看護ステーションとの関係

時々ですが訪問リハビリテーションに行っている患者さんの急変に遭遇することがあります。いつもに比べて意識状態が明らかに悪い、大量の発汗が見られるなどです。そういう状況では、患者さんはもちろんコミュニケーションを取れないわけですから、バイタル…

心の支えは大事

訪問リハビリテーションや訪問看護に行く患者さんの中にはというより多くの患者さんは病気を持ち身体だけでなく、心も弱っていることを実感します。患者さん自身は家族にサポートしてもらいたいのでしょうが、家族の方も患者さんにつきっきりという訳にはい…

意図的に分かりにくい説明をして稼ぐ人たち

家族が携帯電話を新規に契約することになったので一緒についていきました。早速店に行くと店員が来て、新規契約の段取りを進めていきました。シンプルなプランを選択したので、契約はスムーズに進んでいったのですが、契約内容を最終的に確認していく際に、…

基礎と応用について

この4月からNHKのラジオ英会話を聞いています。 www2.nhk.or.jp 最近自分の考え方が膠着してきていることを感じていました。日本人としてこの国でずっと生きてきて、否が応でも考え方が固定されてきます。しかし世界では「多様性」や「格差」等これまで意識…

いつだって「クールヘッドにウォームハート」を忘れないように

私たちは仕事でも日常生活でもいろいろな人と望もうと望まずとも関わっていきます。そのような中で嬉しいことや、楽しいことばかりならいいのですが、どうしても悲しいこと、怒りを覚えることも同様にあります。 私事ですが、怒りや悲しみの感情は結構表に出…

介護保険の改定から3ヵ月が経った現状

陰惨な状況 2018年4月からの介護保険制度の改定により最低3ヵ月に1度は訪問看護ステーションから看護師が患者を訪問して状態把握をしなければならないことになりました。看護師がメインのサービスとなっているステーションではなんら影響のないこの改定です…

お金を得るための手段を本業ただひとつだけにしないこと

商売としてのリハビリテーション 現在私は訪問看護ステーションに籍を置き、患者さん宅を訪問してリハビリテーションを提供してお金を稼いでいます。言うなれば患者さんと療法士との関係は、お客さんと商売人との関係です。しかし一般的な商売とは大きく異な…

受動喫煙は絶対に避けたいが、訪問サービスでは困難

受動喫煙の知識 「受動喫煙」という言葉は社会でもかなり浸透しています。喫煙について分かりやすく医学的な面から説明されているのは、亀田総合病院で有名なこちらのウェブサイトです。 www.kameda.com こちらのサイトから「受動喫煙」について引用させても…

リハビリテーションは「なんでも屋」ではない

進行していく症状かどうか 脳卒中や骨折後のリハビリテーションと認知症患者さんのリハビリテーションとでは、大きな違いがあります。それは脳卒中や骨折が基本的に症状が固定しているのに対して、認知症は症状が進行していくという点です。そのため先月、先…

働き続けるための準備をする

働くことが楽しく感じる時 子どもの学校行事や家庭の事情で時々いつもの勤務時間よりも早く帰る事があります。1時間早く帰るだけで気持ちの問題かもしれないけれど疲れ具合が違います。まず晩に家で過ごす時間に余裕が出てくる。また今日はいつもより早く帰…

「仮想の敵」という考え方

「仮想敵国」という言葉があります。作戦や計画を練る際に仮の敵として想定する相手のことです。具体的な相手がある方が作戦や計画もより具体的にまとめあげられ、関わる人が多くても最終的目標があるためブレを防ぐことができるのでしょう。 さて、そういう…

地震時に訪問看護でできること

地震が起きた時 今日は通勤時間帯に大阪府で大きな地震がありました。私も地震や台風の直撃等を経験したことがあります。こういった時訪問看護ステーションではどういったことができるのでしょうか?マニュアル等では患者さんの安否確認等が用意されています…

「抗命権」というものがあるらしい

辞めていくスタッフ 訪問看護ステーションという小さな職場においても意思伝達というのはなかなか上手くいきません。経営者や上司の意図が正確に伝わらず、辞めていくスタッフも少なくありませんでした。 問題は日本独特のコミュニケーション しかしこれはど…

お金の不安からできるだけ解放されるために

消えないお金の不安 前回の日記では私が行っている確定拠出年金(iDeCo)について書きました。 satomino-you.hatenablog.com 現在働く主な理由は毎日の生活や子どもの教育のためです。そして目先の将来に対して多少の貯金をします。それでもお金の不安はいっ…

確定拠出型年金(iDeCo)を始めて約3年の結果

確定拠出型年金を始めて3年ほどが経ちました 将来お金の心配からできるだけ解放された生活をしたいと思って、始めたものに確定拠出型年金があります。今では”iDeCo”という愛称もつけられ、多くの証券会社や銀行などが扱っています。しかし私が始めた当初は…

訪問看護ステーションの看護師不足の理由

訪問看護ステーションを去った看護師 先日訪問看護ステーションで看護師として働いている方から聞いた話です。今はもう訪問看護の仕事には就いていないのですが自身の経験談を話してもらい、私としては考えさせられるものがありました。その看護師の勤務して…

手の仕組み〜リハビリテーションの立場から

手の解剖学を少し知れば、脳卒中の後遺症で指が曲がった状態で固くなった患者さんや指がわずかに動く患者さに直ぐに役立てるので簡単にまとめてみます。 手の解剖 まずは指の解剖学をシンプルに説明します。指を曲げる筋肉は主に肘の辺りから各指先へと長く…

思考の枠組を取り外してもっと楽に生きる

私たちの世界は進歩しているのか 「抗加齢治療」というものがあれば世の中はどう変わるだろうか?今目の前にある現実がもっと大きく変わることができるとすれば、私たちはいったいどんな変化を望むだろうか?例えばスマートフォンやIT技術の進歩により大きく…

「生き物」としての絶対法則を忘れないで!

しっかりと食べられていますか? 訪問リハビリテーションに行っていて、それまで寝たきり状態の人のリハビリテーションをすることもあります。そしてその目標として、「筋力をつけて立てるようにして欲しい」と言われることがあります。しかし、どう見ても食…

片手で料理ができますか?

BBCのウェブサイトで紹介されていたベルギーからの映像です。20代後半で脳卒中になった彼女は左手だけで料理をする練習をしています。 全く同じものでもここが違う 映像に出てくる片手用の調理器具は日本でも脳卒中の患者さんに一般的に使われているものです…

自分の弱さを知って歩き続ける

療法士は専門職であり、自分の腕で生きていくという職人的な気持ちを持っています。しかし医師や看護師とは違い、いつでもどこでも求められて働くことができるかというと年齢を重ねるごとに新しい職場へ移るということは難しくなるのが現実です。専門職では…

腰痛の難しさ

腰痛は疾患名ではない 腰痛の訴えというのは訪問リハビリテーションに行っている患者さんの中でもよく聞きます。ただ腰痛は疾患名ではありません。腰痛を引き起こしている原因は何かを調べ、診断名をつけるのは医師にしかできない仕事なのです。 療法士であ…

絶対に読むべきリハビリテーションの本

研修に行きまくり、本を買いまくった時期 療法士になってからしばらくは手当たり次第に研修会に行き、リハビリテーション関連の書籍を買い漁りました。今思い返せば、独身でまだ実家暮らしだから出来ていた特別な時期です。学校卒業後、病院で実際に働き始め…

介護危機の本当の話

これからの「高齢化」の本当の問題とは 東京一極集中の功罪(下) 本格的な介護危機 間近に: 日本経済新聞r.nikkei.com 「本格的な介護危機」というショッキングなタイトルです。この記事で興味深かったのは、「高齢化」という言葉を深堀し、「高齢者の高齢化…

人は怒鳴られて成長するか?

ある日聞こえてきた怒声 先日子どもを学童保育に迎えに行った時の話です。学校の体育館から怒声が聞こえるふと見ると、バスケットボールクラブが練習中でした。怒鳴り声はその監督者が子ども達に指導しているときのもの。子どもたちは一生懸命にその怒声に耳…

オンライン診療

ようやく本格的にITを利用し始めたサービス産業 駿台グループ、オンライン家庭教師サービス「manabo」を買収 | TechCrunch Japanjp.techcrunch.com オンラインでの家庭教師サービスが勢いを増している。一方で医療においてもオンライン診療が進んでいる。 遠…

やる気は出すもの、出させるものではない

リハビリテーションには患者さんの能動的な行動が必要 リハビリテーションは薬や手術等とは違い、基本的に患者さん自らが能動的にならない限り成り立たない。そのためある程度の「やる気」がないと継続してリハビリテーションを行うのは困難なのが現実だ。短…