健康が最大の資本を実感

「体が資本」という言葉、これは訪問という仕事をするようになってより一層強く実感するようになった。

 

リハビリテーションという仕事に関わっているので、さまざまな患者さんに出会い、病気のため仕事をやめざるを得なくなった人たちもその中には少なからずいた。

ただそれは医療者という立場から感じる「体は資本」であった。

 

しかし、訪問リハを仕事として、体調を崩したとき、その代行者をたてることが極めて難しいという現実に遭遇し、「体は資本」という言葉は当事者として強く実感する言葉へと変わった。

 

病院に勤めていた頃には、たとえ体調を崩したとしても代行者をたてることは比較的用意だった。しかし訪問では訪問する時間や曜日、場所がかなり限定されてくる場合が多い。例えば他の曜日にはデイサービスに通っていたり、他の時間帯には訪問介護が入っていたり、訪問場所がかなり遠く代行者の調整がつかないなどがある。

 

そして休みが続くと、患者さんから担当者を変えてほしいという依頼がやがて来て、担当から外れてひとつ仕事を失うということも珍しくはない。まあ、当然のこととはいえ、病院時代にはほとんど味わったことのない恐さではある。

 

訪問看護にせよ訪問リハビリテーションにせよ、すべての移動が自動車でもない限り、気温や天候の影響をもろに受ける。体調管理と呼ばれるものには十分注意していたも、環境が過酷なのは正直な感想である。

そんな中でも体調を崩さず、休まずに働き続けることができるように、療法士自身体を鍛えておかなければならないと感じている。そうしなければ、担当患者さんは減り、稼ぎも減り、それはやがて精神にも影響しててくる。

まさに「体が資本」である。