訪問リハビリテーションで働くまで(1)
私が訪問看護ステーションで働き始めて今年で5年が経とうとしている。
養成校を卒業してからは市中病院で働き始め、そこでたまたま情熱的なリハビリテーション専門医に出会えたことが大きかった。
そこでは急性期から慢性期の患者さんまでたくさんの患者さんを担当させてもらった。
しかし病院の性格上、例えば脳梗塞になって救急車で運ばれてきた患者さんを相手にベッドサイドからリハビリテーションを行うということはほんの少しであった。
そのリハビリテーション医からは急性期でのリハの重要性や、リハ職員は他のコメディカルに比べて医学的な知識が圧倒的に低いことを指摘されてきた。
徐々に病院でのリハ業務に慣れてきた頃から、急性期でのリハをもっとやってみたいと思うようになっていた。
ちょうどその頃、リハビリテーション医が退職して他の病院へ移っていったのも踏ん切りをつけるいいタイミングだった。
私は所謂急性期病院という新しい場所で働くことにした。
そこでは救急救命センターがあり、集中治療室があり、脳卒中センターがあった。
正直、これらの場所に行くときにはビビりながら行っていた。
意識が朦朧とした患者さん、たくさんの医療機器に接続された患者さんなどそれまでほとんど会ったことのない患者さんがそこにはいた。
それでもカルテをしっかりと確認し、医師に安静度などを確認し、ナースに状態を尋ね、意識状態やバイタルを慎重に測り、まずは離床を目指して日々リハビリテーションを行った。
そして、担当患者さんが良くなって退院していくこともあれば、回復期リハ病院に転院していくこともあった。
それはとてもやりがいのあることであると同時に、ほとんど20分だけのリハを1日に20人近くまわっていく状況に自分はこのままでいいのか?という思いも少しずつ出てきていた。