訪問リハの終了

数年程担当していた患者さんが訪問リハを終了したことがある。

入院などといったネガティブな理由ではなく、屋外も近くのスーパーまで十分に歩けるようになっていた。

しかし毎日昼食を自分自身で作るのが億劫になったということは時々聞いた。別段手に運動麻痺があるわけではなく、時々なら自分で料理もしていた。

そんな折、これまで通っていたデイサービス事業者が新たにリハもしてくれるデイサービスを作ることになり、そこでは毎日料理も提供してくれるとのことだった。

ただリハと言っても筋トレ機器を使った運動であるが、ほぼ運動麻痺のないその患者さんにとっては十分だ。

 

患者さん本人は、ありがたい事に、退院から現在まで一緒にリハを行ってきた訪問リハを終了させてしまうことに戸惑ったとのことだった。しかし、結果的には充実した食事が決め手となったようである。

 

訪問リハを行っている者としては、こういうふうに患者さんが、自分の受けたいサービスを外へ出て受けられるようになることは、一つの目的を終了させることが出来た気持ちになる。

 

正直、運動機能が改善して、体力もついて来た患者さんには、次に目を外へと向けて欲しい気持ちが強い。

いつまでも訪問リハだけでの運動や活動ではそれ以上の進展がない。

社会との接点を持つことは、体だけでなく、精神的な面での回復をもたらし、それが更に体を回復に繋がっていくからだ。