厚労省の資料から見る訪問リハ

厚生労働省から発表されている訪問看護についての資料はいろいろ考えるのに格好の材料である。

具体的な数値も出されており、日々の仕事の中で埋もれている、様々な傾向を読み取ることができる。

 

まず14ページ目の資料を見てみると、平成27年度時点での訪問看護ステーションの従業者数は、看護師が約33,000人、理学療法士が約6,600人、作業療法士が約3,000人となっている。

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また、39ページ目の資料では、訪問看護や訪問リハビリテーションの課題として、80%近くが歩行や移動となっている。
その次に、姿勢保持、移乗などが続いており、その次にトイレ動作(30%)が挙がってきている。

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ただトイレ動作にしても考えられるのは、まず立位の安定性が問題となる。それが出来ている上でその次に自分自身でスボン・パンツを上げ下げできるかということが問題となってくる。

 

つまり、圧倒的な割合で理学療法士が担っている目標が、課題として挙げられてくる。
この結果が、訪問でのリハ専門職の数が理学療法士がもっとも大きいことによるのか、実際に患者さん自身のニーズが歩行等によるものなのか、どちらかに断定するのは難しい。

 

しかし、もし作業療法士が訪問リハ領域へと参加するつもりであるなら、この数値は頭に入れておく方がいいだろう。病院で働いていたように、歩行に対してのリハビリテーションは出来ないというスタンスでは、訪問リハにおいてできる仕事は、かなり少ないと思った方がいい。