スーパー療法士よりもノーマル療法士を目指す

テレビや雑誌では「スーパードクター」なる凄腕の医師の話題が結構取り上げられている。

なるほど難しい手術をこなし、他では治療不可能と言われた患者さんを治すという。

すごいことだ。

 

しかし、私たちが病気になったときに診てもらい、治療してもらうのはそういったスーパードクターではなく、仕事帰りに夜診に行った時にも夜遅くまで働いてくれているノーマルドクターである。

そして私たちはそういったノーマルドクターのお陰で病気から開放される。

 

世の中の医療を支えてるのはノーマルドクターである。ノーマルドクターの存在が世の医療にもっとも貢献しているのである。

 

リハビリテーションの世界でも「神の手」ならぬ、スーパー療法士なるものがいる。この人の手技にかかればずっと良くなるという。

私もそういった療法士に憧れ、自分もそうなりたいと思い、たくさんの研修を受けてきた。その多くがスーパー療法士と呼ばれる人たちの研修であったことは事実である。

 

しかし、ある時気がついた。「神の手」的な手技を身につけるよりも、スタンダードな手技と知識と患者さんへの正しい対応の方がずっと必要であることに。

リハビリテーションの知識と技術を高めることは重要である。しかし、自分がスーパー療法士になれないからと落胆することはない。コツコツと頑張っている上司や同僚や後輩を蔑むことはあってはならない。

 

解剖学、運動学と運動療法の知識そして疾患の基礎知識。触診技術、動作介助技術、高次脳機能障害への援助方法などノーマルな知識と技術を身につける。それらをいろいろと駆使しながら諦めずに患者さんと接する療法士が世のリハビリテーションを支えているのである。

 

焦らず、傲慢にならず、一歩一歩進んで行こう。

あなたを不安に煽る、スーパー療法士など気にしなくていいのだ。