患者の情報が少なすぎる

以前、大腿骨の骨幹部骨折をした患者さんがいた。その方はまだ若いのだが、以前より車椅子での生活であった。そして手術部位が安定した後、特にリハを受けることなく、早期に退院となった。

 

本来なら可動域訓練などを外来でリハを行うのであるが、車いすでは距離がありすぎ、かといって介護タクシーなどを使用すると1回の通院でかなりの金額がかかるため、訪問リハで関節可動域訓練を開始することになった。

 

実はそれまでも訪問リハを行うにあたって、病院から送られてくる医療情報が少なすぎるなと思っていたのだが、この時は特にそれを強く感じた。

何しろどこまで可動域訓練をしていいのかか?、いつから移乗動作訓練をしていいのか?、それらのことについて全く情報がないのである。

 

電話で医師に確認させてもらおうとするのだが、書面で詳しく聞きたいことを書いてくるようにとまず言われた。

そこで書面でリハ報告書と一緒に送るのだが、その答えはなしという状況がしばらく続いた。

 

そのため、なかなかスムーズにリハを進めることができず、かなり停滞してしまった。

このような情報不足による不利益は患者さんが最も大きく被ることになる。

もしかすると、私が病院まで行き、医師に確認をとるなどもすべきだったのかもしれないが、時間の制約や多忙な医師を捕まえることはそう簡単にはできない。

 

もちろん、中にはとても詳しい情報を指示書に書いてくれる医師もいる。

少なくともこういう注意が必要な患者さんには、もう少しだけ詳しい方法や医師とのコミュニケーションが取れたら、療法士としてはとても有り難い。

しかし、訪問リハでは少ない情報の中で行っていくしかないことが多いので、戸惑うことがあるのが現状である。