日本看護協会からの平成30年度の介護報酬改定に関する要望書について

日本看護協会が平成30年度の介護報酬改定に関する要望書を提出していた。


日本看護協会のサイトからその要望書を拝見させてもらうと、「訪問看護ステーションからの理学療法士等の訪問に係る基準の見直し」という主題のもと、次のような要望が書かれていた。

 

(1)医師の指示書の内容を踏まえ、看護師と理学療法士等が共同して、理学療法士等が実施するリハビリテーションの実施計画を作成すること(訪問看護計画と一体のものとして作成)
(2)訪問看護ステーションから理学療法士等による訪問を利用する利用者については、原則として同月中に1回以上は看護師が訪問してアセスメントを実施し、看護職員と理学療法士等の情報や方針の共有に努めること

 

これは、介護報酬改定に関する厚生労働省の資料でも指摘されていたことである。
訪問看護ステーションという名前の通り、主となるのは看護である。
その看護の業務のひとつにリハビリテーションがあり、それを看護師の代わりに療法士が行っているというのが現状の訪問看護ステーションから行う訪問リハの扱いである。

したがって、ある患者さんに対して看護師よりも療法士の訪問割合が多いケースが増加傾向にあるのは問題となる。

 

この傾向の理由としては、回復期病院を退院した後の患者さんへの継続的なリハや入院は必要ないがリハを行ったほうが良い人々への
受け皿の多くがが訪問リハとなっていることが挙げられる。
つまりニーズははっきりとあるが、それに対応するための手段が訪問看護ステーションからの訪問リハとなっているのである。

 

もう一つ理由として挙げられるのは、現状独立開業することができない療法士が、大きな理念なりお金目的なりいろいろな目的から
訪問看護ステーションという形を通して、実質の独立開業を行っていることが挙げられる。

 

大抵そういった所では、看護師は施設基準として必要最低限に揃え、後はどんどん療法士の数を増やしていくという形となる。

私もそういった療法士のリハがメインとなっている訪問看護ステーションに勤めているので、看護師の割合が少なすぎることは現在のところ問題であると感じている。
したがって、日本看護協会の要望書にあるように、看護師が同月中に1回以上は看護師が訪問することには大賛成である。

 

病状が安定している方等は、看護師の訪問を断るケースが少なくない。
しかし制度として必ず看護師が訪問して心身の評価を行わなければならない状況になれば、断ることはできない。

 

食わず嫌いとは言わないまでも、看護師による違った視点からのサービスを受ければ、身近に病気のことを相談できる看護師は自分にとって力強い味方になることを知ることになるかもしれない。

療法士による訪問リハの増加を、サービスの制限という形で抑制するよりも、より良いサービスに広げるために看護師のサービスを
必須にするということは良い案であると思える。

また、恐らく看護師の数をそれ相当に揃えない限り、療法士のみの訪問リハを増やすこともできず、適正な制限としてはたらくだろうし。