現場の喫煙率

これまで働いてきた病院でも職員の中に喫煙者は少しはいた。

ただ、訪問看護ステーションで働くようになって、職員の喫煙率の高さに驚いた。

私が勤務している所では、訪問看護、訪問リハ、訪問介護の3つがあるが、喫煙者率は介護士>リハ療法士>看護師の順で、介護士とリハ療法士の喫煙者率は8割に達する。

 

この傾向の高さは、他施設を訪問した時にも見られる。高齢者専用賃貸住宅やデイサービスの裏側には職員用の喫煙スペースがあり、かなりの職員が喫煙をしている。

 

煙草を吸わない私は、かなり煙草のニオイには敏感なので、目の前で吸っていなくても、呼気から喫煙者は分かるし、その人の衣服はすでに煙草臭がかなりのものである。

はっきりいって私にとっては気分の悪くなるニオイである。

したがってもし私が利用者なら、自分のところに来る医療・介護関係の人間から煙草のニオイがするだけでもうそのサービスは受けたくはない。

 

だからこそ不思議なのだが、現在サービスを受けている利用者は、その煙草のニオイが気にはならないのだろうか?

利用者自身が喫煙者なのか?、家族が喫煙者でニオイに慣れているのか?、嗅覚自体の衰えがあるのか?、それとも我慢してるのか?

 

ひと昔前には喫煙は今よりもっとメージャーなものだった。煙草の値段も安かったし、「受動喫煙」などという言葉も存在していなかった。

そういう中で育ってきた現在の高齢者は、そこまで煙草というものの存在が気にならないのだろう。

健康に悪いとは聞いていても、実感としてピンと来ていないと思える。

その結果が、病院の玄関前たくさん目にする点滴を受けながら普通に喫煙する患者である。

そう考えると、恐らく煙草のニオイを我慢しながらサービスを受けている利用者というのはあまり多くはないのだろう。

 

喫煙率の低さと所得の高さに相関があり喫煙者の呼気からも有害物質が出ているという事実が判明している状況で、訪問リハの状況というのは現在のところあまり良くはない。

つまり、訪問リハで働く療法士の所得は低く、知らず知らず患者へ不利益を与えてしまっているかもしれないのである。

私の経験からだけだが、医療・介護職の勤務場所(病院か訪問か)、職種などで喫煙率を調べると案外面白いデータが出てくるかもしれない。