もっと勉強しなければならない領域

この記事を読んで思い出したことがある。

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養成校を卒業してすぐに勤めた先のリハ専門医に言われたのは、「リハ療法士は看護師などの他のコメディカルに比べて病気の知識が
少なすぎる」ということだ。

 

確かに養成校では内科学や外科学などの授業はある。あるがしかし、国試対策程度でしかないのが実情である。
リハで出会うことが多い、脳血管疾患や整形外科疾患などは、それなりに一生懸命勉強するが、他の内科疾患等に関しては、正直その知識はとても浅い。

 

しかし、病院で働くようになり、脳梗塞の患者さんでもその基礎疾患として糖尿病をもっていたり、循環器系の疾患を抱えている患者さんたちに多く接するようになる。
そうすると、それまでだけの知識では、リハを行うに当たってリスクがあることを知り、否が応でも改めて教科書を引っ張り出して
内科の勉強をするようになる。

 

そして、病院では脳卒中や整形外科疾患だけではなく、肺炎や外科手術後の廃用予防のリハもその役割が大きくなってきていることに直面し、今度は呼吸器や外科のことも勉強しなくてはいられなくなる。

正直、勉強しなくては怖くてやってられないのである。

しかしある程度の経験と時間が経つと、大学病院や大規模な病院などに勤めていないと、だいたいの知識と経験でこなせるようになり、その勉強量も徐々に減っていく。

 

今現在私は訪問看護ステーションで働いているのだが、基本的に患者さんの前では医療職は自分一人となる。
そして時にはリスクの大きい患者さんも訪問することになる。
そのような今、改めて初歩からの疾患の勉強やバイタルサインなどの技術(血圧やSPO2など機械で計測できる以外のもの。呼吸の状態、脈拍の状態、意識状態等)などをしっかりと勉強する必要を感じている。

 

もしかするとこれから先、ガンなどの終末期の患者さんを担当することになるかもしれない。だからガンについての勉強もする必要がある。

 

もちろん、療法士は医師ではないのでそこまで深く勉強する必要はないが、コメディカルとして必要な知識は入れておかなければならない。

そうすることがリスク管理につながることはもちろん、これからの患者さんの予後を予測し、どういったリハビリテーションがその人にとって最適なのかを考えられることにもつながる。

 

療法士と言えども、医療職のはしくれであることは、覚えておかなければならない。リハの手技だけではダメなのだ。