訪問での呼吸リハ
訪問リハビリテーションでも数は少ないが呼吸器疾患の患者さんにリハビリテーションを行うことがある。その中でも慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者さんである。
訪問リハビリテーションの依頼が来る場合は、在宅酸素療法になり、長年の経過を経ながら外を歩くのが辛くなり、とうとう外に出て歩くことがなくなったという方が多い。こういった患者さんたちは主治医や看護師から呼吸方法などを教えてはもらっているのだが、実際の状況を見てみると教科書通りの動作になっている人が多く興味深い。
- 靴を履く時に急いで履こうとして、呼吸が余計に苦しくなる。
- 靴を履き終わるとすぐに立ってあるき出し呼吸がどんどん苦しくなる。
- 呼吸が苦しくなるので、酸素を吸うことに一生懸命になってしまい、必要な酸素が肺に入ってこず、さらに苦しくなる。
- 歩いている時にもついつい早足になってしまい、呼吸苦になりがち。
そういう場合の在宅での呼吸リハは、まず呼気を意識しての動作を意識して練習し、動作は慌てずゆっくりと行うことを練習し(特に意識的にゆっくり歩いたり、階段を昇り降りする)、休憩を途中途中に入れるよう促す。
他には胸郭を覆う筋肉のストレッチや運動となる。
患者さんとしては、最期に挙げた呼吸筋のストレッチやリラクゼーションなどが呼吸リハをしたという気分になるようだが、それよりも前に挙げた呼吸を意識した動作練習が重要だと考えている。
ほとんどの患者さんが、あまりにも呼吸が辛いから徐々に外を歩くことから遠ざかっていった訳である。外を歩いても呼吸が苦しくならないようになればまた少しずつ、たまには外を歩こうという気持ちも出てくる。