脳卒中患者さんの予後予測

脳卒中患者さんの場合、リハビリテーション専門医などがかなり詳しく調査して、発症当初~その後しばらくの状況で予後予測ができることが多い。しかしあくまでも統計なので、時折その予後予測が当てはまらない患者さんもいることは事実である。

例えば、発症時に手足が完全な弛緩性の運動麻痺の状態で、その後しばらく経ってもそのような状況が続いているようなら予後はかなり厳しい。リハビリテーション病院を退院する時にも担当医師からは「もう今以上良くなることはない。現状維持のための訪問リハビリテーションだと思ってください」という説明を受けている人が多い。

 

そんな中訪問リハビリテーションを数年続けて、当初よりもずっと手足が動くようになる患者さんがいる。こちら側としても嬉しい限りだが、それが生活動作にどれほど変化をもたらしているかというとなかなか難しいものがある。その点ではやはり予後予測の範疇を出られないのが現状である。手であればその手を使って生活ができるようになっているかといえばそれには遠く、足であれば屋内歩行でもふらつきが時々生じて転倒することがあるなど、自立した生活は難しい。

訪問リハビリテーションに関わる療法士としてもこういった予後予測を頭に入れておくために発症時の運動麻痺の様子やその後の経過を聴くことは重要である。