なぜ訪問を選んだのか?

たまにふと思うことがある。訪問リハビリテーションを仕事にしている療法士はなぜ訪問を選んだのだろう?と。

 

私の場合は、療法士として働くことを止めようと思っているなかで、最後の最後の職場として訪問リハビリテーションを選んだ。病院ほど多くの患者さんをみる必要はなく、毎日毎日同じ患者さんのリハビリテーションをする必要もない。その一方で先行きは病院で働くことに比べて不透明で収入も減るのだが、それは受け入れられた。本当に食べていくために選択できる方法を消去法で選んだ結果が訪問リハビリテーションというものだった。だから特別高い志などはまったくない。病院で働いていた時と同じように、お金をもらうのに相応しいサービスを患者さんに提供するだけである。

 

訪問リハビリテーションの患者さんはほとんどがリハビリテーションによる大きな回復が臨まれるを期間を終えた人たちである。病院ならば、「○○ができるようになる」といった目標があるが、訪問での患者さんたちは「○○ができるようになる」というよりは、ほとんどが現状の維持か「○○できないようになるスピードをゆるめる」ことである。だから、何年もずっと訪問リハビリテーションを続けている人が多い。終了になるのは、状況の悪化がほとんどである。一人一人の患者さんの経過報告書を書いていると「これでいいのだろうか?」という気持ちがふと沸き、苦しくなる。これから先、国の財政がどうしようもなっていき、私たちの賃金が下がらざるを得ないような状況になったとしても仕様がないと思っている。