病院で働くことを薦める

病院で働いている時にリハビリテーション専門医から言われたことで、今でも印象に残っている事がある。

 

脳卒中の患者さんは、新人の療法士が担当してもベテランの療法士が担当してもそう変わることない結果が出る。何故なら回復のほとんどが、脳梗塞あるいは脳出血の広さや部位によって予測できるくらいに決まってくるからである。一方で、整形外科疾患の患者さんの結果は担当する療法士によって変わってくる。何故ならばどこに問題があり、それに対してどのようなアプローチをするかをひとつひとつの筋肉等に対して、ピンポイントで対応していかなければならないからである。だからこそ、療法士は脳血管疾患の患者さんと整形外科疾患の患者さんのいずれにも関わってリハビリテーションの知識と技術を磨く必要があるという。

 

また、私自身が病院で働いている間に、リハビリテーションの必要な患者さんの疾患もそういった脳卒中や整形外科疾患から、心臓や肺等のより広い疾患へとメインがシフトしてきていた。そうなると、必要な知識がもっと広がって、全身状態を見ながらの運動療法となってくる。

 

それらの総合的な経験は訪問リハビリテーションでも生かされてくる。正直、訪問リハビリテーションの患者さんは単一の疾患だけでなく、いろいろ抱えていることが多いからだ。ただ整形外科疾患は、病気に比べるて圧倒的に少ない。だから細かな筋肉や関節などの知識やそれらに対する技術や見る目はなかなか磨きにくい。

 

こういういった理由から、まずは病院で働くことを私は絶対にお薦めする。