医学としてのリハビリテーションを提供したい

訪問リハビリテーションをしていると、急性期病院に比べてその医療色はかなり薄くなる。「医療」と「介護」の厳密な定義は?と聞かれると難しいが、介護色が強くなってくるのが、訪問でのリハビリテーションである。人によってはリハビリテーションとは?という定義から始まり、その範疇を広げていき、病院でのリハビリテーションが狭義のものでしかないと、私のような考え方をすると厳しく非難される。

 

面従腹背で、こういったある種イデオロギー論争に近いものは話し合っても着地点がないことは、これまでの経験から嫌というほど味わっているので、表向きはリハビリテーションについて「医療色」と「介護色」などという表現は使わないようにしている。しかし、本心は患者さんの体の問題点を厳密に評価してそれに対してどういう運動療法や動作訓練が必要かをできる限り考えるようにしている。そしてそれこそがあるべきリハビリテーションであると思っている。どこまでも医学としてのリハビリテーションを追い求めることが必要だと考えている。それを忘れると、単なる介護でしかなくなる。