テキトウな言葉からテキトウな考え方が分かる

最近まっとうな療法士から、認知症のことを「ニンチ」というのは止めろというという言葉を聞き強く同意した。「認知」とは脳機能の中でも高次のもので、感覚からの情報を「認知」できないと生きていくのにかなり困ったことになるものである。少なくとも認知症を「ニンチ」などと言うのは、そういう事を知ってか知らずかかなり問題のある略し方である。

 

さて、ある市町村の広報紙を読んでいると「各種保険・医療制度」という説明の中で以下のようなものがあった。

 

〈医師が必要と認めた、はり・灸・あん摩・マッサージなど〉

・・・

筋麻痺(きんまひ)や関節拘縮などで、医療上マッサージを必要とする・・・

 

「筋麻痺」などという言葉は初めて聞いた。正確には「筋肉の麻痺」や「運動麻痺」だろう。また関節拘縮がおきた場合は医療的にマッサージなど何の意味もない。そしてはたして医師が必要と認めることがあるのだろうか?

これを書いた人には悪意はないだろう。ただ、「運動麻痺」や「関節拘縮」などの言葉に何の興味や関心も同様にないのだろう。だから上記のような言葉を使えるのだ。

 

その人が使う言葉からどれくらいの知識や関心などを持っているのか分かる。テキトウな言葉を使っている人はテキトウな考えしかしていない。