迷信に惑わされないで

先日インフルエンザの予防接種を行った。今年のインフルエンザワクチンは製造量が少なかったり、製造の遅れがあっりでテレビニュースや新聞でそのことが報じられた。

 

インフルワクチン、過去5年で最少に 厚労省「1回接種」推奨: 日本経済新聞

 

そういった話とともにどこからともなく付け加わった変な噂を訪問リハビリテーションに行っている何人かの患者さんから聞いた。

「今年のインフルエンザ予防接種は例年よりも痛い。それはいつもと違う成分が入っているせい。それで量も足りない」というものである。私自身はそんな話は聞いたことがなかった。それに注射時の痛みの原因のほとんどは針が皮下に刺さるためだろう。実際に自分自身もワクチン接種をしてみての感想だが、特別痛いとは全く感じなかった。接種後のあの独特な痛痒さはいつものようにあったが、特に酷くなっていることはなかった。

 

さて例年よりも痛いと言っていた患者さんたちは恐らく手技の下手な人に当たったか、他の外因があったのだろう。少なくとも”今年のインフルエンザワクチン”のせいではないはずだ。そしてそれらの患者さんに共通するのはそういった噂話を家族や友人達から聞いていたことである。自分で調べたことでもなく、新聞等で報道されていたことでもない。”家族が”、”近所の友だちが”言っていたことなのだ。

 

インターネットやSNSの普及で噂はどんどん広がって行きやすくなっている。そこから根拠のない話が家族や近所の話として患者さんたちの耳に入ってくる。今回の程度ならまだ笑い話で済まされるが、病気の話になってきたらそうでは済まされない。