要介護5の患者さんの訪問リハビリテーション

訪問リハビリテーションを行っている患者さんの中で要介護5くらいになるとその数は一気に少なくなる。そういう患者さんは身体的理由だけでなく認知症意識障害のため日常生活全般に大きく介助が必要であり、訪問介護の利用で保険点数の多くを使うことになる。そこで訪問リハビリテーションを行うとしても介護量の軽減は正直難しい。廃用症候群予防を訪問リハビリテーションの目的にしたところで予防するためにその時間は少なすぎる。それならば訪問リハビリテーションの代わりにデイサービスを利用して、毎日車いすに座ってもらう方が効果があるだろう。

 

ただし手術や治療入院後に退院してからの場合は、短期間に集中的な訪問リハビリテーションは意味がある。バイタルチェックをしながらの座位、立位、車いす移乗などは療法士が得意とするところであり、デイサービス等でその後その患者さんに関わる人たちにどこまでの動作能力があるのか、どこに注意をした方がいいのかを伝えることでいい形でバトンタッチが出来るからだ。

 

介護度の高い90歳近くの患者さんに対してこれからの人生を少しでも充実させるためにリハビリテーションを頑張って行いましょうとはさすがに言う気が出ない。だから可能ならば、短期間で関わって必要なことを介護職に引き継げるような役割を療法士としては果たしていきたい。