下品な人間にだけにはなりたくたい

医療や介護の仕事についていると生活保護の患者さんを担当することも少ない。様々な理由があっての生活保護である。しかし、中には傍から見ているとどうしてこの人は働くことなくお金を得られるのだろうか?という疑問がわくようだ。そういう患者さんへのサービスとなると、いろいろ複雑な感情をもってしまうことを時には避けられない。そしてしつしか患者さんの前ではないものの、職場スタッフとの何気ない会話の中でその感情が暴発し聞くに堪えない言葉で、生活保護の人たちを批判してしまうようだ。私自身はどんな理由であろうとセイフティネットは必要で最低限の暮らしを得られるための公的な補助が必要だと考えている。しかしそうではない人も同じ医療や介護の分野で働く中にもおり、それがすぐそばの同僚であることも事実である。彼らの気持ちに同意できないのは、ただ「下品な人間にはなりたくない」という気持ちがあるからである。弱い立場の人間をどんな状況だろうと批判するのは人として下品だと思っている。そういう気持ちさえももしかすると、働いて生きていけるだけの収入を得ているからだろう。日々の暮らしでいっぱいいっぱいの状況になれば同じように彼らに悪態をつくかもしれない。そうならないためにも一生懸命働き、しっかり稼ぎを得たい。