便秘への介入

訪問リハビリテーションに行くとほぼ日中ベッドに横になっている患者さんの便秘の問題を家族から相談されることがある。便秘に効く運動をしてくれということである。

 

便を出すためにまず重要なのは大腸自体の”ぜん動運動”である。この”ぜん動運動”によって肛門の方へと便を送り出す。そしてそのためにはまずこまめな運動である。ベッドで寝ているだけでは大腸は動かず便は留まったままの状態となる。


そしてある程度大腸内を移動してきた便は、最後に「重力の力」が必要である。トイレに座るという動作があるから、最終的に便は肛門近くまで運ばれてくる。それを実感するのは難病等で座ることができない患者さんの排便の難しさである。また実際に自分のことを省みても、下痢の時はともかく、寝たまま便を出すのはなんだか気の抜けたような状態になって無理だと分かる。

 

つまり動かず、トイレに座わりももしない人が便秘になるのはある意味当然のことなのだ。だから療法士としては、まずは一人で座れるようにリハビリテーションを行うし、便意があるないに関わらず取りあえずトイレに座ってもらうように促す。またポータブルトイレではなくて、実際のトイレに行くというのも効果的でその臭いや雰囲気などが便意を促したりもする。
私たちが普段何気なく行っていることはひとつひとつ繋がっている。