絶対にチームメイトの批判はしない

病院、訪問関わらず一人の患者さんには複数の医療・介護スタッフが関わり、患者さんの維持・回復のために働いている。ところが患者さんも一人の人間であり、人によっては性格が合う合わないがある。それは仕方がないこと。しかし複数のスタッフがチームとして機能していることはとても大切で、それが崩れてしまうと再び一つにまとまることは容易でなく、結果患者さんの不利益にもなる。

 

ある時患者さんがあまり性格の合わない一人のスタッフのミスに腹を立てたことがあった。その場に一緒にいた他スタッフがその患者さんに同調し、それ以上にミスしたスタッフに怒ったのだ。一緒にいたスタッフは真面目だからこそ余計に患者さんが困るようなミスが許せなかったようである。その場では患者さんの方が逆に気持ちをグッと抑えた。しかしミスを冒したスタッフからお詫びの電話があった時に怒りが再燃し、これでもかという罵声を浴びせたようである。結果としてそのスタッフは更に患者さんから嫌われる存在となってしまった。担当者が集まる会議でもなんとなくギクシャク雰囲気漂っていた。

 

私もたまに他スタッフへの愚痴を患者さんから聞くことがある。しかし絶対に患者さんの目の前ではそれに同調はしないようにしている。「そうなんですね」とただ聞き流す程度である。大きな問題に繋がるものなら別だが、大抵はそうでないものだ。また私がチームのリーダーならまた話は違ってくる。一介のチームの一員であるならばチームメイトのミスはフォローすべきことで、患者さんと一緒になって非難する行為は間違っている。チームで患者さんに関わり、その誰もが患者さんのためには重要なのだと言うことを肝に銘じるようにしている。訪問では他のスタッフと顔を合わせることが少なく、患者さんとマンツーマンになっていることが多いためそれを忘れてしまいがちだが、自分の見ていないところで他のスタッフは患者さんのために懸命になっているのである。