アウトカムの難しさ

アウトカムとは、臨床上の成果や結果である。それを確立された評価方法によって数値化することが求められている。これは社会保険制度で成り立っているリハビリテーションでも確かに重要であり、これから苦しくなってくる時勢では当然求められてくる。費用対効果のより高いサービスをしなさいということである。

 

一方で訪問リハビリテーションでは急性期から回復期と一般的に呼ばれる発症から1年を経過した患者さんを対象とすることがほとんどだ。そのためなかな目に見える効果というものも直ぐには出なかったり、短期間で効果が出てもその後右肩上がりに良くなっていくということも難しい。だから「維持する」ということも患者さんと決める目標のひとつとなってしまう。

 

維持というと何も変わっていないかのようである。しかしほとんどの患者さんが高齢者であり、病気、それに伴う障がいだけではなく、「加齢」という行き続けるかぎり起きる下降的な変化がある。したがって現在の生活を維持できているということは、放っておくと下降するラインを引き上げているということでもある。ところがアウトカムとして数値化した場合にはそれは変化なしとなる。それはひとつの結果である事は間違いなく、しかしその数値だけで判断していいのか療法士としてずっとモヤモヤした気持ちを持ちながら働いている。