4月1日から医療費助成制度が変わる

私の勤務している地域では、4月1日から医療費助成制度が変わる。身体障がい者手帳の1級・2級をもつ患者さん等の訪問看護や訪問リハビリテーションではこれまでなかなか複雑な制度であった。

 

例えばこんな事例があった。身体がい者手帳の1級・2級をもつ患者さんは「身体障がい者及び知的障がい者医療費助成制度」の制度を利用して病院受診した際、負担額が

1日最大500円の最大負担額で足りた。しかし、訪問看護や訪問リハビリテーションを1か月利用すると、自己負担額が500円を超えることが普通で、患者さんからは「なぜ病院で医者に診てもらっているお金より高いのか?」という質問も少なからず聞かれた。これは私の勤務地ではそれまでの訪問看護や訪問リハビリテーションには「身体障がい者及び知的障がい者医療費助成制度」の制度が適用されなかったからだ。その後、訪問看護ステーションが行う訪問看護については、別途に、「重度障がい者訪問看護利用料の助成制度」ができ、「身体障がい者及び知的障がい者医療費助成制度」の制度とほぼ同等の負担額で利用が可能になったのだ。これは実感として非常に大きな制度であった。なぜならば、この制度前は訪問看護や訪問リハビリテーションを受けるためには特定疾患ではない限り、医療保険での自己負担額である3割の負担が生じていたからである。その必要性から短期集中に1ヵ月間だけ受けたとしても自己負担額は数万円になっていた。

 

そして、この4月1日からは訪問看護ステーションが行う訪問看護利用料が「身体障がい者及び知的障がい者医療費助成制度」の制度変更である「重度障がい者医療」の適用となり、システムとしてはきれいにまとめられた形になった。

 

身体障がい者手帳の1級・2級をもつ患者さん等では、訪問看護ステーションが行う訪問看護や訪問リハビリテーションについてはこのように、助成制度からは除外→別途「重度障がい者訪問看護利用料の助成制度」の適用→「重度障がい者医療」に組み込まれる、という流れを経てきた。これはひとつには、訪問看護や訪問リハビリテーションが自宅で生活し続ける身体障がい者にとって必要なサービスであると認識されてきたからであるとも考えられる。まずはなにより病院受診とは違って、1か月に複数回のサービスが必要となる訪問看護や訪問リハビリテーションを受ける患者さんにとって、医療保険での自己負担額である3割負担の大きな金銭的壁がなくなったことが大きいだろう。