AもBも大事

確か茂木健一郎さんの言葉だったがように思うが印象に残っているものがある。

 

「ある物事Aとある物事Bがあった場合、AかBかどちらが大切かというのは意味がない。AもBも大切だとすることが重要」

 

「取捨選択」や「選択と集中」というようにどうしても私たちはAかBかどちらを選ぶかが今後にとって重要となると考えがちである。しかし実際の世の中の出来事のほとんどはそう簡単に選択出来るものばかりではない。例えば「家庭」も「仕事」も両方重要だし、どちらかが欠けてもいずれかは成り立たない。私がいる医療や介護の世界では「(感情を廃した)論理的な思考」も「相手を思う感情」も重要で、どちら一方だけではベストなサービスを提供できないことが多い。

 

どちらか一方のみを選ぶことは考えや行動を限定させることができ、その分攻撃力は増す。競争社会ではそれは有効な戦略になるので、多くの人たちが意識的にせよ無意識にせよいずれかの選択の道を取る。しかし頭の片隅に「AもBも大切だということもある」ということを残しておけば、大変かもしれないが、あれこれ駆使しながらAとBとを両立させることが可能となることもある。