訪問看護での療法士はグレイな存在なのか

訪問看護ステーションでの療法士の存在については厚生労働省のウェブサイトにもはっきりとこう書かれれいる。

 

訪問看護ステーションからの理学療法士作業療法士又は言語聴覚士(以下、理学療法士等という。)による訪問看護は、その訪問が看護業務の一環としてのリハビリテーションを中心としたものである場合に、看護職員の代わりに訪問させるという位置づけのものである

 

訪問看護ステーションにおいて療法士は看護師の代わりという存在なのである。まあ「訪問看護」というその名前からして当然そうなるだろうことは納得できる。ただし納得できるものの、療法士の存在がかなりグレイなのも事実である。特に医療職のような専門性の強い領域では、代わりの存在だと言っても実質その内容を代行することはできないし、それぞれの領域の内容についてどれほど知っているかは怪しい。また療法士が「看護師の代わり」という存在であると制度上でこうして明確に定義されていることが更に現場に不協和音をもたらしさえする。管理者となる看護師としては、自分たち看護師の代わりに療法士が行っているとされても、療法士の行うことのほとんどを知らない状況であり、だからこそ彼ら彼女ら療法士に対して管理義務があると言われても気持ちとしては「そんな責任は持てないから嫌だ」というのが本音である。確かに病院でも医師の代わりにリハビリテーション業務を行う存在として療法士がある。しかし医師は患者に対して全責任を負っており、リハビリテーションの適用不適用や安静度も判断してリハビリテーション処方を出す。

 

訪問看護ステーションからの訪問リハビリテーション業務を行う限り、療法士はグレイゾーンの存在として行き続けてなければならないのが現状である。