思惑

看護師による3ヶ月に1回の訪問であるが、患者さんやケアマネージャーからの反応は渋い。介護報酬をその訪問により得るのかどうかは保険点数や自己負担額にも影響する「金の問題」なので特に神経質にさせている。

 

看護ステーションによると療法士メインの患者さんの訪問で新たに看護師が介入する場合、介護報酬を請求しないところも実際にあるようだ。これがケアマネージャーに対して悪印象を抱かせず、現場が混乱している状況での新規患者さん獲得のための経営戦略なのか、働くことで得る金銭への無頓着なのかは分からない。いずれにせよ今後も看護師訪問による介護報酬を得ないとするなら、看護協会がどうそれに反応示すのか興味深い。経営戦略であれ、看護師の仕事が無料で行われているということであり、自分たちの仕事に価値がないと自分から言っているのである。

 

思うにここが療法士メインの訪問看護ステーションは踏ん張り所である。自分たちの事業所で働く人間の仕事に価値がない者はいない、しっかりと看護師の訪問には報酬を受け取るという形で療法士の訪問報酬が引き下げられた分をしっかりと稼いで補い、しぶとく生き残り続けていく。そして看護師の存在に左右されないサービス体系を見出し、患者さんの満足と利益を確実に得るよう知恵をしぼる。「将来的には訪問看護ステーションで働く療法士が職を失うのだ」と言っているような連中はどうぞ早めに尻尾を巻いて撤退すればいい。しぶとく、知恵をしぼり、必死で生き残れるようあがく。考えただけでわくわくする。

 

さて医療介護費の抑制と訪問看護ステーションの形を取りながら増える傾向の療法士のサービスを何らかの理由により抑制したいという様々な人間の思惑が合致した状況に見える今回の介護保険制度改定だというのが日に日に強まる今の印象である。