福祉用具の業者さん

最近立て続けに福祉用具を扱う業者さんと担当患者さんの担当者会議で会うことがあった。恐らく療法士よりも(少なくとも私よりも)福祉用具に接する機会は多く、それを必要とする患者さんとも会っていると思う。それでも違和感が残る事が残念ながら続いた。

 

患者さんやケアマネージャー、あるいは療法士からこういう福祉用具が必要なんだけどという依頼があって初めて彼らが動き出すのは分かる。しかし患者さんに福祉用具を提供したらそのままなのだ。例えばポータブルトイレなら、それを持って来て、設置して、ハイどうぞという具合に。ポータブルトイレへの移乗やそこからの立ち上がりはが出来なければ、療法士に教えて貰って下さいで済ませていることもある。

 

私としては福祉用具を専門としている人と一緒に各患者さんについて検討したい。もしかしたら、その福祉用具は部分調整可能かもしれない。あるいはもっと他に適した福祉用具があるかもしれない。それを一緒に考えたいのだ。道具だけ提供して、それが確実に使えるかどうかは療法士の仕事だというのはどうも違う気がする。更に悪いことに療法士協会によっては自分自身が福祉用具についてのスペシャリストだと言わんばかりの広報を行っている。福祉用具を常に扱っているのは療法士ではなく、福祉用具の業者である。あれもこれもと無意味に手を広げずに、分からないことは分からない、別に福祉用具スペシャリストではないのだと認識し、専門業者とベストな選択が出来るようにしていく方がいい。福祉用具の業者さんも移乗や立ち上がりについてはもっと考えて提供する方が意味があると思うのだが。もし療法士の持っている移乗や立ち上がりの動作のノウハウを知りたいという人がいれば喜んでお伝えする。こちら側も違う目線からみた福祉用具の考え方やもっとこうした方がいいというものがあればぜひとも教えて欲しいのだ。