子育て、教育について、算数(数学)が出来るようになるために

前回は塾の価値について書いた。

satomino-you.hatenablog.com

 

 

その時参考にした本の著者である栗田哲也氏の本が今回も参考図書である。

今回は算数(数学)がどのようにしたら出来る子に育てられるか?というテーマだ。

 

数学に感動する頭をつくる (ディスカヴァー携書)

数学に感動する頭をつくる (ディスカヴァー携書)

 

 

栗田氏の著書はたくさんあるがその中で何度か出てくるのは、算数(数学)が出来るための能力の世間一般常識とのズレである。

世間一般では物事を論理的に考えられる能力が算数(数学)が出来るためには必要だと思われているが、そんなものよりもっと重要なものがあるということだ。

それは何か?

いくつか栗田氏は本の中で挙げているが、とりわけ重要視しているのが「イメージ力」、「位置づけ能力」というものだ。

 

「イメージ力」とは、その名の通りで、頭の中で数字や形や文字等を思い浮かべそれを頭の中で自由に扱うことのできる能力である。少々抽象的で分かりにくいと思うが、栗田氏がその能力を伸ばす方法として挙げているものを見るとより理解しやすい。

例えば、ピアノ(譜を見ずに頭の中で再現して演奏する)や詰将棋、そして算数(数学)ならば一度理解できた問題を今度は紙や鉛筆を使わずに頭の中で順序立てて解くという方法である。

 

もう一つの「位置づけ能力」だがこちらもなかなか抽象的で分かりにくいかもしれない。例えば算数(数学)でこれまで解いたことのない問題や勉強したことのない分野に遭遇したとする。その時、これまでに解いた問題や勉強した分野を駆使し、未知の問題や分野がそれらとどのような関連性をもっているかを想像して自分の中に取り込むことだ。そうすることで未知の問題を解き、未知の領域を理解することができる能力を「位置づけ能力」という。要するに各問題や各分野をすべてつながりをもって理解していく能力だ。算数(数学)は暗記科目であるという人たちもいるが、彼らが言う暗記とは、つまりこういった既知の問題や領域に基づいて考えるということであり、一般的な暗記とは違う。

 

増補2訂版 数学は暗記だ! (和田式要領勉強術)

増補2訂版 数学は暗記だ! (和田式要領勉強術)

 

 

数学は暗記科目である―数学コンプレックスを吹きとばせ!

数学は暗記科目である―数学コンプレックスを吹きとばせ!

 

 

 世間一般でいうところの算数(数学)の勉強方法とは大きく異なっている。しかもこれまでなかなか言語化されてこなかった算数(数学)が出来るようになるために重要な能力について語られている。算数(数学)が出来る人は無意識のうちにこういった能力を伸ばし使っているのかもしれない。