感情には意味がある

日々の仕事や生活の中で少しづつ蓄積されていく「疲れ」。この「疲れ」というと身体的な「疲れ」を思い浮かべてしまうが、心の「疲れ」というものも無視できない。しかしよほど大きなストレスでなければなかなか少しづつ溜まっていく心の「疲れ」に気がつかずにいる。そしてある時蓄積されてきた心の「疲れ」が一気にマグマの様に爆発するのだがその時はもう遅い。

 

さて心の「疲れ」とは言うけれど、私たちは日々の生活の中で様々な感情を湧かせ、そういった感情を場合によっては「ストレス」と呼ぶ。「○○がストレスだ」と思った時には既に心は疲れ始めている。では「ストレス」と呼びたくなる感情とはいったいどんなものだろうか。

 

怒り、恐怖、不安、悲しみ等が代表的なものだろう。一方で私たちは喜びといった正反対の感情も抱く。そしてこう言った感情たちが私たちを守るために存在すると言われたら、自分自身の感情を含めて人の感情に対してまた違った捉えて方ができる。それを教えてくれるのがこちらの本である。

 

 原始時代の環境の中から生き残るために私たちは様々な感情を持つようになった。例えば、恐怖は危険から逃げるために、不安は将来起きるかもしれない危険を予測するために役立つ。そういうふうに感情が生きていくために危険から自らを守るために存在すると考えると、相手に嫌な感情を抱かせないような行動や自分自身が抱える感情の正体を知ることができる。

特に感情についてのこのような考え方で自分自身の行動を変え、それが有効だと思うのは認知症の患者さんに接する時である。