担当患者さんの人生

訪問リハビリテーションに行っていた患者さんの中にはいつ容態が悪くなっも不思議ではない人たちもいる。例えば心機能に問題を抱えた人や重篤な肺の疾患を持った人たちだ。病院では根本治療が難しく定期的に受診し、訪問リハビリテーション訪問看護訪問介護で自宅生活を維持していく事になる。

 

病院の大きな目的のひとつは、病気や怪我を治療して、また社会生活に戻れるようにすること。それが不可能だが、自宅生活を送れる患者さんには正に在宅医療・介護が出番となる。だからこそ彼ら・彼女らの人生の終盤に深く関わることになる。

 

だからこそ容態が変わり、救急搬送され、そのまま亡くなったという事実を聞いた時、いっときの間その患者さんとの会話や表情が頭の中に出てきて、その後になんとも言えない寂しさがこみ上げてくる。そして彼ら・彼女ら人生の終盤に関わり少しでも支えになれたのかな?、否なれたはず、と自分自身を思い込ませる。

 

寿命は伸び、人の人生は全体としては長くなっているのだろう。しかし訪問リハビリテーション訪問看護を通して過ごす終盤の時間というのはやはりそう長くはない。人生の儚さを感じてしまうのも事実である。