「療法士はこの先食っていけるか」は釣り言葉

リハビリテーションの研修、講演、ブログで時々見られる「セラピストはこの先も食っていけるか?」という煽り。そこでまず不安感を見込客である療法士に抱かせ、自身の研修や商売に誘い込むという手法である。

 

彼らのやっている事は「将来年金は大丈夫か?破綻しないか?」と不安にさせて、自社の保険サービスや投資話などに誘う詐欺まがいの方法と変わらない。

 

療法士は馬鹿真面目な人が多いので、自分の技術を上げて生き残ろうと考え、そういう類の研修や情報商材にはまる人も多い。所謂「○○療法」なんかも根っこの部分は同じだ。そんなものに騙されないようにしなければならないのだが、どうしても数値で全ての結果を出せない曖昧な部分を大きく含むリハビリテーションという分野では何が正しいのか分からなくなり、気づくと「○○療法」の研修にどっぷり浸かっている状態ということもある。

 

また経験がものを言う世界でもあり、経験者年数の高い療法士からああだこうだ言われるとなかなか言い返せない。このリハビリテーションを取り囲む現状がどうで、将来はこうなると言われると本当にそうなのかも知れないと信じてしまいそうになる。

 

こうした事の真偽を判断するのは多くの療法士にとっては難しい。ただし、怪しいなという警戒線は気をつければ張ることが出来る。それは、自分に話し寄ってくる人間が不安感を煽るような言動をしていないかに注意する事。もしその人間の話しを聞いて不安になったのなら、その話を鵜呑みにせずゆっくりと判断することが大切だ。

 

ちなみに私はセラピストが食えなくなる事はこの世から病気や老いがなくならない限りはあり得ないと考えている。将来的にはどんな病気や老い対しての画期的な治療法が出来ることが理想であるがそれまでは療法士の仕事は存在する。そのため最低限の衣食住をする分の収入は可能。ただしいい服を買って、いい車を買って、外食もバンバンするという分には不可能だ。そこは自分自身で他の手段を考えるしかない。ただオイシイ話をして来る者にはやはり注意は必要である。