頼るための心の準備

訪問看護や訪問リハビリテーション訪問介護など一昔前比べると自宅にいながらにして受けられるサービスが増えたのは事実。また医療や介護のサービス以外でも、家事代行サービスやネット販売なども普及し、日常生活で必要な事を外部サービスに頼ることが可能になった。

 

そんな世の中にいち早く慣れる事が出来る人たちは生活の負担を軽減するためにアウトソーシングして、少しでも充実した生活を送ることが出来るようになる。そして他の人にも何故外部サービスに頼らないのかと疑問に思いそれを強引に勧めてしまうことがある。ところが頑なに外部のサービスを利用することを拒む人も中にはいる。

 

それは何故か?

これまで家事を含めて自分の生活に関わることは全て自分で行ってきて、そこに何らかの自分なり意味を持たせている人にとっては生活関連のアウトソーシング心理的ハードルがあるようだ。他人が作った料理なんて食べたくない、他人に自分の家の掃除をしてもらうなんて何だか気持ち悪い、洗濯物を他人に触られるなんて嫌、そういった彼女らの気持ちを私も聴く事がある。

 

しかし日常の忙しさや心身の障がい等から全てを自分で行うことに限界が見え始めている人たちがいる事も事実。そういった人たちも徐々にではあるがそれを認め、外部サービスを受け入れるようになる。ただしこれまで彼女らが必死で行ってきた生活は本当に価値があり、それによっていろいろな人たちが恩恵を授かったという事は紛れもない事実である。そういう気持ちを彼女らに伝えることは、外部サービスを使うとどんなに生活が楽になるかということを伝えることよりもっとずっと重要で必要な事であることを忘れないようにしたい。そうすることで心の準備も自然となされていくようである。