ボタンを押せない患者さんの呼び出しブザー製作

在宅での第一選択

ALSや頸髄損傷をはじめとした筋力低下、特に手指の筋に大きな筋力低下が起きてしまった場合、在宅では介護してくれる人を呼ぶためのブザーが必要になることがある。種々の手続きを経て、スイッチ関連の福祉用具やナースコール機器の補助が出ている場合は何の迷いもなく安心できて確実な既製品を購入するにかぎる。

 

ナースコール的なモノの代用

しかし、補助が出ない場合や申請が下りるまでの期間にどうしてもスイッチとブザーが必要となることもある。そういう場合は、だれでも簡単に代用品を製作できるので紹介したい。

 

誰でもできるスイッチの製作

まずはスイッチに関しては、少しでも手全体で押すという動作ができればこちらで紹介されているスイッチがお勧めである。なにしろ材料は、厚紙、銀紙、糊あるいはテープのみである。

www2.nhk.or.jp

 

まさかNHKのウェブサイトがこんなところで役立つとは思わなかったが、とにかく秀逸なスイッチ作りが紹介されているので困っている人は見てみることをぜひお勧めする。

 

ブザーは既製品を買う

配線を電池とブザーにつなげれいいだけである。ブザーも子どもの夏休みの工作宿題ようにお手軽なものがホームセンターやネットショッピングで購入できる。音の方はよほど広い家や扉で遮られていいないかぎり十分だ。

 

ELPA ミニブザー HK-MB015H

ELPA ミニブザー HK-MB015H

 

 

改造することには細心の注意が必要

たまに100円均一店で売られている呼び出しコール(病院のナースコールのように音楽がなる)の中身をちょこっと改造している患者さん宅を訪問することがあるが、既製品を改造している点で何が起きるか分からないので、患者さんの同意や電子機器に関してよほどの知識がないかぎりはやめておくべきだと個人的には思っている。

 

あくまでも「呼び出しブザー」にすぎない

ここで紹介したものはあくまでも「呼び出しブザー」であり、「ナースコール」ではない。緊急時に確実に呼び出せるという保証はないので、その点は患者さんに同意をとり、関わる人たち全員もそれを認識しておくべきだろう。それでも呼び出しブザーとしては十分に機能するし、スイッチとしても既製品にはない利点(一番は指の力がほとんどいらない)があるので参考にしてもらえばと思う。