腰痛の難しさ

腰痛は疾患名ではない

腰痛の訴えというのは訪問リハビリテーションに行っている患者さんの中でもよく聞きます。ただ腰痛は疾患名ではありません。腰痛を引き起こしている原因は何かを調べ、診断名をつけるのは医師にしかできない仕事なのです。

 

療法士である私が注意すること

では訪問リハビリテーションの患者さんが腰痛を訴える時、療法士はどう対応するのか?まずは痛みがどれくらいなのかを聞いたり、診たりします。痛みで生活動作が明らかに制限されているようでしたら受診を勧めます。次に痛みが安静時にもあるのか、動作時にあるのかを尋ねます。そして下肢にしびれがあるかなども聞き取っていきます(脊髄に何らかの問題を引き起こしている可能性がある)。そうする中で経過を見てみるべきか、できるだけ早く受診してもらうのかを考えます。

 

腰痛を訴える患者さんに多いのは

過去に腰部脊柱管狭窄症に対して手術をしていたり、腰椎圧迫骨折を起こした事がある患者さんは多く、腰痛を訴えられる患者さんが多いのですがなかなか対応は難しく感じています。痛みの程度も日常生活動作を大きく阻害する程でもなく、安静時から何か気になる程度の痛みがあるようで、腰椎部分で何かが起きているでしょうが、対応策としては消炎鎮痛薬(貼り薬、塗り薬)、痛み止めの服用しかありません。痛みにより二次的に腰部の筋肉が収縮したままになってそれが追加的な痛みになっていることもあり、腰部筋のリラクゼーションを行うこともありますがいずれまた痛みが出てきます。

 

「腰痛」について断言できること

リハビリテーションとしては痛みの把握と適切な助言、廃用症候群を防ぐための運動療法となるべく痛みを起こさない動作方法などをしていく以外にありません。ただひとつ断言できるのは、腰痛は症状でありその背景には直ぐに医師による治療が必要な場合があるので整骨院ではなく、必ず整形外科を受診すべきだということです。