片手で料理ができますか?

BBCのウェブサイトで紹介されていたベルギーからの映像です。20代後半で脳卒中になった彼女は左手だけで料理をする練習をしています。

 

全く同じものでもここが違う

映像に出てくる片手用の調理器具は日本でも脳卒中の患者さんに一般的に使われているものです。これを見て、ヨーロッパの国でも同じような調理器具を使って調理訓練をしているんだと親近感を覚えました。と同時に、ひとつひとつの器具の色使いやデザインにヨーロッパ的な洗練さがありお洒落な印象も受けました。

 

プロが関わることで生まれる違い

患者さんの年齢にもよるのでしょうが、リハビリテーションをすることで独立した日常生活を送れるようになることを目指していると療法士だと思われる人が述べています。また、凄いなと思ったのはプロのシェフと協力して「片手でできる料理ブック」を作っているところです。シェフが加わることで、本に掲載されている料理はとても美しく美味しそうなものです。

 

気持ちを駆り立てるデザインが必要

日本にも脳卒中の患者さんが料理をするためのテキスト的な本があります。しかし、このあたりのデザインセンスというか、「私も作ってみたい!」と思わせるようなものは今のところ見たことがありません。調理器具や料理本から見られるこういったデザインは「脳卒中の患者さんが使うもの」というどこか特別な雰囲気から使う人を開放します。そしてある種の心理的な障壁を払い、患者さんを「作ってみたい!、使ってみたい!」という気持ちにさせます。