「生き物」としての絶対法則を忘れないで!

しっかりと食べられていますか?

訪問リハビリテーションに行っていて、それまで寝たきり状態の人のリハビリテーションをすることもあります。そしてその目標として、「筋力をつけて立てるようにして欲しい」と言われることがあります。しかし、どう見ても食事がしっかり出来ているようには見えない患者さんが中にはいます。そういった患者さんでは筋力をつけることはとても難しいのが事実です。

 

運動するにはエネルギーが必要

なぜなら筋肉を作るためにはタンパク質が必要で、運動をするためのエネルギーには糖や脂肪が必要だからです。それらが足りていない人に負荷のかかる運動は、逆に体を痛めつけることにさえなります。通常は体に蓄えられている糖分や脂肪がエネルギー源として使われるのですが、蓄えられているものがほとんど無い痩せた患者さんにとっては非常事態です。なぜなら呼吸や心臓の運動など生命維持にもエネルギーが必要ですから。

 

運動と筋肉と栄養の切り離せない関係

そのため病院では血液検査からタンパク質の量が十分かをカルテを見て調べます。在宅の人でも血液検査の結果が残っていれば見せてもらいます。このように運動、筋肉、栄養は切っても切り離せない関係なのです。ただ、どうしても筋力は運動すれば回復するだろうと思われ、栄養の部分への視点が抜け落ちてしまっていることがあります。しかし、食べることを軽視してはいけません。全ての活動にはエネルギーが必要で、そのエネルギーは食べることで得られるという「生き物」としてのの絶対法則があるのです。