訪問看護ステーションの看護師不足の理由

訪問看護ステーションを去った看護師

先日訪問看護ステーションで看護師として働いている方から聞いた話です。今はもう訪問看護の仕事には就いていないのですが自身の経験談を話してもらい、私としては考えさせられるものがありました。その看護師の勤務していた所では自分を含めて看護師が全員辞めてしまったそうです。その理由は、経営者と看護師らの考え方の相違だったと話していました。その訪問看護ステーションに来ている看護師は患者さん第一で働く一方で、経営者からは売上を上げろいうと圧力が続き徐々に溝が深くなっていったと。

 

訪問看護ステーションで働く看護師の気持ち

病院ではなく、あえて訪問看護ステーションを仕事場として選んだのは患者さんともっとじっくり関わりたかったからと彼女は言います。しかしそれが無理になっていくとと同時に、訪問看護の場で働く意味なくし、皆辞めていったということです。一日の訪問件数を増やそうとすればどうしても時間に制約が出てきてしまったようです。

 

どうしてそこで働くのか?ヒトの心の奥底

これを単純に給料を貰っているんだから売上も大事だろうと考えては訪問看護師はこれからも辞め続けるでしょうか。看護師は病院でも訪問看護ステーションでも施設でも慢性的に不足し、今やどこも欲しいがる職業です。病院によっては高待遇なところもありますし、平均してもある程度の賃金は現在のところ約束されています。そういう人達にとって何が働くための最も強い誘因となるでしょうか? それを考えない所は看護師不足のままです。生きていくためのお金は重要ですが、ある一定金額以上あれば、人が働く動機はお金ではなく「働く意義」になるかもしれません。しかし人材が不足する職場というのは、どうしてもそういう人間の心にある本質に気づかずにいます。