「仮想の敵」という考え方

「仮想敵国」という言葉があります。作戦や計画を練る際に仮の敵として想定する相手のことです。具体的な相手がある方が作戦や計画もより具体的にまとめあげられ、関わる人が多くても最終的目標があるためブレを防ぐことができるのでしょう。

 

さて、そういう意味では今回大阪で起きた地震のように、具体的に何が起きた時にどう行動するのか、どう連絡をとるのか、どう意思決定をするのかを決めることは組織内の連携を高めるためには有効なのかもしれません。訪問看護や訪問リハビリテーションでは数多くの患者さんがいて、毎日外に出てサービスを行います。だから余計に密な連携を取りにくい状況が生まれてしまいます。

 

そこで仮想の敵ならぬ、仮想の問題として大規模災害を想定し、それに対してどう意思決定をし、それをどう連絡及び情報共有し、どう行動していくか決めるのです。そうすることでより具体的に、組織内の連携を高めていく事ができる思います。残念なことというか、そういう危機的状況を想定しないとなかなか本腰を上げての考えや計画というのは出てこないのです。

 

私自身はこれまでどうして世界の国々は仮想敵国をもつのか?、そんな敵国を持たずに上手くやっていけないものか?と青い臭い考えをしていました。しかし地震などの災害直面し、実際にその状況で多くの人たちがこれまでとは良い意味で具体的な意思決定や連絡を取り合って、実際に行動しているのを見て、やはり仮想の敵(仮想の問題)というものが必要だと実感しました。