サプリメントの「嘘」と本当に効果がある「健康法」

サプリメントの事実

統計によるとサプリメントを飲んでいる人々の割合は非常に高く、20~70代の調査では8割の人が服用しているそうです。
『消費者の「健康食品」の利用に関する実態調査(アンケート調査)』34ページより

 

私たちが訪問リハビリテーションで訪問する患者さんも何らかのサプリメントを服用してい人は多く、たまに「テレビのCMでやっているのをよく見るのだけど、膝のためにサプリメントを飲んだ方がいいんでしょうか?」と尋ねられることもあります。

 

効果が完全に否定されたサプリメント

さてテレビのCMで「グルコサミン」という人も多いでしょう。膝関節の痛みに効果があるような内容で、「グルコサミン」配合のサプリメントを飲むことで、膝の関節軟骨がすり減りにくくする効果があると宣伝しています。実際に「グルコサミン」が関節軟骨のクッション効果を作り出す時に使われてていますが、そこで使われる「グルコサミン」はあくまで膝の関節軟骨が作り出したものであり、口から摂取した「グルコサミン」がそのまま膝関節まで届くかというとそれはありえません。そのためサプリメントとしての「グルコサミン」には効果がないというわけです。

 

こちらの記事では分かりやすくそのことが説明されています。

gendai.ismedia.jp

 

それでも売り続ける企業

記事によると、実際に「グルコサミン」の効果を完全に否定する医学論文もだされていて、年齢、性別、痛みの程度、関節炎の程度に関わらずどの患者に対しても、効果はないと結論されているようです。そのため「グルコサミン」関連のサプリメントが市場から消えていっているようですが、未だに大手メーカーでは販売し続けているという事実もようです。その市場規模から企業にとっては止められない美味しい商売だということでしょう。

マーケティング会社のインテージの調査によれば、'15年の健康食品・サプリメント市場は、前年比2.9%増の1兆5785億円(推計)だ。

市場からグルコサミン関連のサプリが次々と消えているワケ(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(3/4)より

 

効果があるならまだしも効果が完全に否定されたサプリメントを売り続けることにはやはり問題でしょう。しかしどの業界にも人の弱みを把握してそこを意味が無いにもかかわらず、さぞあるような言いまわしで足元を見るような商売をするところが多くあります。騙されるなと言われても、困っている人間にとっては藁をも掴む思いで冷静に判断できない状態です。今回の記事のようにマスコミが分かりやすく、専門家の意見を取り入れながら説明してくれると、冷静になって考えられるようになるのではないでしょうか。
記事でも専門家が述べているようにサプリメントではなく、医師の診断と治療、毎日の食事と運動などで対応していくことが無駄なお金をかけずにもっとも効果を出せるベストな方法なのです。