株式投資という私にとって不思議な行為
私にとって投資というものはとても不思議なものです。
今の世の中には楽しい物や事にあふれています。そして多くの企業が私たちの欲望を駆り立て、私たちの商品・サービスを買うことで今すぐに楽しい思いをすることができますよと宣伝広告で言葉巧みに私たちを誘惑します。
いい車、最新スマホ、高級感あるカバンに衣服、楽しい旅行や美味しい料理、それらすべてはお金を出して購入したと同時に私たちの欲望を満たしてくれます。
株式投資はそうやってずっと魅力的な物を作り出して、売って、稼いでくれそうな企業にお金を預けてその利益の一部を見返りに求めようとする行為のひとつです。
一方で私のような「長期の積み立て投資」を目指している者は、一時の欲望に負けず我慢して、その分でういたお金をできるだけ投資へつぎ込みたいと思っています。ここでは私は企業が求めるのとは対極の人間になっているのです。
そう考えてみると不思議です。資本主義という欲望が欲望を生んでいくような印象が強い仕組みの世界で、私のような平凡な人間が投資をするということは、欲望をできるだけ抑えて遠い先の未来を耐えながら見ているようなものです。
しかし資本主義と投資は切っても切り離せない関係であり、投資そのものは資本主義だからこそ成り立つようなものです。
「長期での積み立て投資」を志すと自然と積み立て資金を用意しようといい車・最新スマホ・ブランド品のような贅沢品は要らなくなってきます。外食も控え、コンビニで物を買うことさえも躊躇するようになってきます。そんなものにお金をつぎ込むくらいなら、少しでも投資や貯金をしようと思うようになるのです。 もちろんどうしても必要だったりや自分の人生を豊かにしてくれる物やサービスだと思えばそこにはお金をしっかりつぎ込みます。
そうする中で必然的にこの企業の商品・ サービスは本当に価値があるなと企業やビジネスモデルにも関心が出てきます。
欲しいと思った物でもじっくりじっくり考えて購入したり場合によっては見送ったりするなんて企業にとっては私はあまり嬉しい客ではありません。ですが投資という形ではこれでもかというくらいに企業と「 win-win」な関係であります。この不思議で、興味が尽きず、奥が深い行為が私にとっての株式投資であります。
NHKでやっていてたいへん面白かった番組の書籍化です。