AIとケアマネージャー
患者さんとケアマネージャーとの会話の中で時々、耳にして苦笑いしかでないものがある。
ひとつは、介護保険の更新に当たって、患者さんが介護度が下がったことを残念に思っているという内容である。
もちろん、介護度が下がるというのは、そのままの解釈では良いことである。
しかし、介護保険サービスを使っている側にとって、それは必ずしも喜べるものではないのである。
なぜなら、介護度が下がることで、受けられる介護サービスが減ってしまう可能性があるからである。
もうひとつは、患者側からの要望が強く、ケアマネージャーも、私から見て本当に必要なサービスか?と思えるものでも、組み入れなければならないという場面に遭遇した時である。
ケアマネージャーも人間である。そして、患者さんがあっての仕事である。そのため、彼ら・彼女らが作成するケアプランも、患者さんとの関係性が影響することが少なくはないのだろう。
そこでだ。今いろいろな分野で実用化されてきている人工知能(AI)の出番である。まだまだ試みの段階である。しかし、AIの作成するケアプランによる効果が大きくなるとすると、今後AIによるケアプラン作成が主流となる可能性もある。
AIには、悪い意味での人間関係などというものが入り込む余地がないので、患者の身体状況や生活環境などにより客観的にもっとも効果的と考えられるケアプランが作成される。
更にこのAIによるケアプラン作成が良いと思われる点は、莫大な数の件数が集められて改善されていくことで、その効果がどんどん改善されていく可能性があるということである。
肉体労働が多い介護分野において、AIの介入がまず大きく進んでくるのは、このケアプランの作成というケアマネージャーの仕事であるように思われる。