easy come easy go

肩や腰の痛みを訴えてくる患者さんは少なくない。そういった方には、私ができる範囲で疼痛緩和を行う。具体的にはどこの筋肉が痛いかを触診で探り、該当する筋を動かす運動やストレッチなどである。私にできることは現在のところこれくらいしかない。

 

そして、痛みが楽になったと言ってくれる患者さんもいる。しかし私の方はなかなか嬉しい気持ちにはなりにくい。

 

なぜならば、痛みを引き起こしている根本の原因は患者さんが行っている毎日の動作が原因であることが多いので、再び痛みは出るだろうと考えられるからである。できるならばその原因となっている動作自体を変えられれば一番良い。しかし、すでに見についてしまっている動作はそう簡単には変えられないし、運動麻痺による限界もある。だからそういう場合は、クッションや適宜痛みが起きている筋肉を休めさせるような安楽な姿勢をしてもらうようアドバイスしてるが、1週間後に訪問するとやはり痛みは起きている。

 

そういう痛みをもつ患者さんにとって短い時間でも痛みのことを忘れられる時間は貴重であることはよく分かる。しかし、その場での対症療法でしかない運動療法にいつも苦い思いをいだきながら行っている。だからこそ、リハビリテーション時には動作練習を繰り返し、動作の根本的な改善ができるように継続している。長い道のりにはなってしまうが、それが結果的には痛みを緩和する方法としてもっとも良いのだと考えながらリハビリテーションを行っている。