もしこの仕事を辞めたくなったら

これまで働いてきて職場を変える療法士は多くいるが、療法士がその仕事そのものを辞めて他の職業に変わったというケースにはあったことがない。一方で看護師の知り合いの中では看護師の仕事そのものを辞めていった人には何人かいた。療法士であろうと看護師であろうとほとんどの人たちにとっては思い出すのもの嫌な臨床実習をやっとの思いでパスして更に国家試験勉強の後になった職業である。よほどのことがない限りもし辞めたくなってもしばらくは続けた方がいいと思う。

 

そう言う私も療法士の仕事自体を何度か辞めたくなった身である。それでも未だに療法士の仕事を続けており、一年に数回だがこの仕事をしていてよかったと思うこともある。そういう私から、もし療法士の仕事を辞めたくてたまらない人へのアドバイスを2つ程書いてみる。ただしもし20代前半のまだまだやり直しがきく人は除く。

 

まず私がこの仕事を続けられた理由になる一つの言葉がある。誰だったか、好きな落語家だったか作家だったかの言葉である。「まずは10年しがみついてでもその仕事を頑張ってみること。何とか10年続けられたようならその頃には立派なプロとしての技術も知識もついており、その仕事をこれからも続けられる素質がある」。この言葉通りに10年以上経ってもまだまだ未熟だが、少なくともこの仕事でお金をもらうだけの仕事はできている。

 

そしてもう一つは職場を変えてみることである。病院でも超急性期、回復期があるし、クリニックなどもある。また病院だけでなく、デイケア老人保健施設、訪問リハビリテーションもある。色々と職場を変えてここなら働き続けられると思ったならそこで続ければいい。仕事を辞めたくなった理由が人間関係ならこれはなおさら効果的である。辞めるまではハラハラドキドキだが、辞めると告げればそんな気持ちも吹っ飛ぶ。

いずれにしても心を病むほどに悩まないでほしい。もっと気軽に職場を変えて、本当に療法士の仕事を辞めたいのか、もっと現実的に辞めてもっと稼げる仕事に今から就けるのか考えてもらいたい。私はあなたを応援している。