表現すること

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昨年、殺風景な自宅に飾る絵を探してネットを漁っていた。その中で偶然に出会ったのがカナダの画家モード・ルイスである。その絵の色彩に魅了された。

 

彼女は若年性関節リウマチを患い、手足に障がいをもっていたそうである。そういう状況と生まれ持っての才能から生み出された作品には不思議な魅力がある。病院では関節リウマチの患者さんは何人か担当させてもらったことがある。手指の関節が全て破壊されており、独自に工夫した長柄のスプーンなどを利用されていた。指でつまむという動作が難しく、どちらかというと指でつかむとういう動作でモノを扱うことになる。モード・ルイス氏の絵の独特なタッチは、ひょっとするとそういう筆の握り方から生み出されたのかもしれない。

 

絵、音楽、文章など何かを生み出す力にとても憧れる。自分自身の内側にあるものを何らかの形で表現することができたらと昔から思っていた。結果としてそれが他の人の心に訴えかけるものであったら尚更素晴らしい。そして何より本当に苦しいとき、辛いとき、自分を支える何かがあるということは幸せだ。

 

そんな画家モード・ルイスの映画が現在公開されているそうだ。劇場に足を運ぶのが難しいとしてもDVDか何かの形で必ず見たい作品である。