介護報酬改定〜なぜ看護師が訪問するのか

さて、4月からの介護制度改定に伴い、療法士の訪問リハビリテーションが主となっていた訪問看護ステーションでは現場がバタバタしている。その理由は、概ね3ヶ月に1度の看護師の訪問が必要となったからだ。そして患者さんやケアマネージャーにそれを伝えた時に、大抵聞かれるのは「看護師さんが行って何をするのですか?」ということである。更に現段階で確認出来ている範囲では、その看護師の訪問できっちりと料金を請求する事業所としない事業所が混在しているのが問題を複雑にしている。お金が発生するという事で人の態度は大きく変化し、一層何のために看護師が新たに訪問するのかを明示する必要性が高まる。

 

私としては看護師の訪問がたとえ数カ月に1回だとしてもそれを無料にするという考え方はあり得ない。この世の中に無料の仕事などないし、あってはならない。患者さんにも看護師にとっても貴重な時間をつかっているのだ。その時間が無料というのは自分達の仕事に価値がないと自分から言っているようなものだ。看護師が介入することでの客観的なアセスメントが可能になるし、患者さんにとっても安心材料となるものが多い。日頃心配に思っている心身の事を気軽に訊ねられる機会でもある。療法士は所詮療法士で、病気や心身の事への理解や把握も本業である看護師には及ばない。

 

そして何よりも「訪問看護ステーション」というものが国の制度により成り立っていて、その制度はある意味絶対である。改善すべき点は改善すべきだが、療法士による訪問リハビリテーションは行き過ぎた。ここで制度改正により行き過ぎにストップがかかり、「訪問看護ステーション」の名の通り看護師がまず主となるような変更があったのだ。この制度に従うのが訪問看護ステーションの有り様だと思う。