子育て、教育について、中学入試のメリット

人は集団の中で、自然と自分の立ち位置が決まっていく。そしてその立ち位置によりどう成長していくかも影響していくということを書いた。そのためレベルの高い名門中学に行くことがその子にとってプラスに働くか、マイナスに働くかはある種の「運」によるという結論にした。

 

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親としてわが子に中学入試をさせるのかどうかは「賭け」であるのだ。中学入試を通して経験したことはその子にとって大きな財産になるというような事も聞くが、それさえも子どもによって違い、やはり「賭け」の要素が強い。

 

 

ただし、中学入試を経てレベルの高い学校へ行くことが高い確率でメリットになる子がいることも事実である。そのことを端的に実感できるのがこの本だ。

 

結論から書くと、小学校の時点で「将来医師になりたい」、「国家官僚になりたい」という気持ちがはっきりしている子どもにとっては、中学入試を経てその続きで早々に大学入試 を見据えた受験勉強を開始するということは重要だ。

名門と呼ばれる中学校では、先取り学習がガンガン行われる。なぜならば通常の中学3年間で勉強する量と質と、高校3年間で勉強する量と質は明らかに大きな飛躍があるからだ。言うまでもなく高校3年間で勉強する量と質の方が圧倒的に多く、高い。それに比べて、取り立てて出来る子でなくても中学3年間で学ぶ内容は真面目に取り組めば多くても2年間で終えられる程度のもの。後は内容理解をさらに進めるためにどんどん問題演習を行うことが必須となる。それが名門私立中学校では可能なのだ。そしてその差は大学受験では大きく影響する。特に国公立大医大や医学部、国家官僚への狭き道の登竜門である東大文一や京大法学部では、トップレベル層での熾烈な競争である。だから小学校の時点で「医師になりたい」、「官僚になりたい」という子の場合は中学入試はやる意味が大きい。

 

一方で「好きなこと・夢中になれることがある」子どもや、まだ何をしたいのかも分からない一般的な子どもたちにとって中学入試はメリットとデメリットの両方があり、どっちに転ぶか分からない「賭け」である。国公立大学であろうと医学部や東大文科一類・京大法学部以外の学部ならば中学からの大きな先取り学習をしなくても、高校生になってからの勉強で十分対応可能だ。ましてやその先の人生を考えれば、受験勉強などよりもっと役に立つ勉強や経験をしておいた方が良い。