子育て、教育について、人は集団生活で成長する

 

昨日の続きである。

satomino-you.hatenablog.com

 

 

さて現在子育て中の親としては、将来中学入試をするのかどうかということがかなり悩むところだ。遺伝はその人間の知能にかなり大きく影響するということであり、塾へ行き多くの時間を「受験勉強」に投入したところで必ずしも結果が出てくるわけではないという事実がある。ということは、中学入試などは私の一般的な知能の親の子どもが考えるべきことではないという結論になりそうだが、そこに待ったをかけるもう一つの事実がある。

 

その事実とは、人は集団生活の中で成長していくものだということだ。子どもでは尚更集団生活での経験が成長に大きく影響する。それをデータに基づいて、詳細に考察して説明してくれる本がある。

子育ての大誤解〔新版〕上――重要なのは親じゃない (ハヤカワ文庫NF)

子育ての大誤解〔新版〕上――重要なのは親じゃない (ハヤカワ文庫NF)

 

 

子どもが親よりも保育園、幼稚園、小学校、学童保育などでの人間関係に強く影響を受けて育っていることは、自分の子どもの経験からもなるほどうなずける事実である。幼稚園では同級生はもちろん、年上の子どもたちと遊ぶことを好み、どこで覚えてきたのか?と思うようなことを話したり、やったりしていた。そしていつしか年下の子たちの面倒を見たり、お手本になろうとしていた。つまり、子どもは自分が属する組織の中で自分の立場というのを作ったり、作られたりし、その中で自分自身を成長させているのだ。

 

とういことは、勉強する意識の高い集団に属すればその影響を受けて自分の子どもも自ら勉強する意識の高い人間になる。

 

しかし、事実は必ずしもそうならない。

ある程度の成績の子は成績の高い集団の中では下の成績に属することになる。一方成績の低い集団の中では上の集団に属する。そのような状況になった時、その子が「勉強しても他の子のようになれない。あまり一生懸命になっても無駄だ」と思えばその子にとって勉強する意識の高い集団に属することはある意味マイナスになる。逆に「勉強すればするほど成績上位のグループに入れる。頑張って勉強しよう」と思えば、勉強する意識の低い集団に属することがその子にとってプラスになるのだ。

 

人は集団の中で成長するが、その集団は多くの要素が複雑に絡み合い、その中でどう一人の人が成長していくかはある意味「運」ともいえる。したがって中学入試のように意識の高い集団に属することは良いことではあるが、その集団の中でどういう立ち位置をその子が立つことになるかによりマイナスにも働く可能性があり、更に頭を悩ますことになる。

 

それでも現在は特に都市部では中学入試は多くの親が考えるものであり、その熱は冷める様子はない。