距離感

訪問リハビリテーションに行くような患者さんの中にはヘルパーがいないと生活が成り立たないような人もいる。そういった患者さんに一番長く関わっているのが訪問介護の人なのだが、その時間が長くなるにつれ彼らがいつしか患者さんの代弁者となり時には、家族か?と思わざるを得ない用な関係性なるのを幾人か経験した事がある。

 

本当にそれは患者さんが望んでいることなのか?、あるいはヘルパー自身の思い込みの強さがなす言動なのか、時に苛立ちを覚える事があるのも事実である。こちらは患者さんに聞いたり、伝えているのに、いつの間にかヘルパーが横から出てきて、ああだこうだと言い始める。正直こういう状態では、患者さんの方もまるで洗脳されたかのようにヘルパーに意思決定を委ねる状況も見られる。

 

こういう関係性は、病院では患者さんと看護師との間でもしばしば経験したことである。そしてそういう関係性を見るたびに自戒するようにしている。ある一定の距離感を患者さんとは保たなければいけないと。あくまで生きていくのは患者さん自身である。そこにある境界線を超えて、いつしか独りよがりの患者さん自身の代弁者なってしまうのは専門職として、仕事として関わる者としてどうかと思っている。家族ではないのだ。あくまでもお金をもらって、自分自身の専門的なサービスを提供しているのである。