職業復帰について

これまで訪問リハビリテーションで関わった患者さんの中で職業復帰された方は一人しかいない。その方も会社勤めではなく、自営業である。病前のようにバリバリ働けるように
なったわけではなく、主にレジの担当で、後はなじみ客との会話である。

 

訪問している患者さんの多くが介護保険の対象者であり、すでに退職していている方が多いというのが主な理由だとは思う。そんな中で現在担当している患者さんに目標は職場復帰という方がいる。年齢もまだ若く、何よりまた働きたいという意欲が強い。しかし失語や上肢に大きな運動麻痺があり、現状では以前と同じような仕事は正直かなり難しいと思われる。それでもまた働くということが大きな目標となっているので、可能な範囲でそれを達成できるようリハビリテーションを行いたいと思っている。

 

65歳に満たない勤労世代にとっては働くということはとても意義ある目標だ。直ぐに生命に関わりような疾患をもっていないとすれば、これから先の人生はまだまだ続く可能性が高い。そうなればお金の事も大きな心配になるだろう。また、生きがいという面からも重要である。

 

病院と比べると訪問リハビリテーションでは出会うことが少ない職場復帰望む患者さんだからこそ、少しずつ実績をつくっていきたい。